劇団員だった20代の時に「ふきの会」に入り、あっという間に20ン年!の坂東辰起が稽古場の様子をレポートします。

「ふきの会」では、小学生から80代までの男女が稽古をしています。

辰起:「日本舞踊が面白い、難しいと思うのは、どんなところですか?」

守時くん:「面白いのは、いろんな役になれること」

京香ちゃん:「体の使い方も踊り方も違う“男踊り”と“女踊り”があるのが面白いです。ずっと腰を落としていないといけないところは、太ももがプルプルしてくるけど」

守時くん:「ふだん使わない体の部分が痛くなる」

辰起: 守時くんと京香ちゃんは、3、4歳の時から日本舞踊を習っています。大人の皆さんはいかがですか?

佐藤さん:「見えないものを見えるように踊るためには、想像力が必要ですね」

冨祐乃:「反動を使えないところが難しいですね。勢いで回っちゃダメ。どれだけ自分の身体をコントロールできるかを問われている気がします」

辰起:「冨起子先生って、どんな人ですか?」

守時くん:「for exampleが面白い人」(「たとえ」という意味。守時くんは英語が得意です。)『羽根の禿』を稽古していて両袖で顔を隠したら、「それじゃ鼻をかんでるみたい」って(笑)」

辰起:「あ、私は『年増』の振りで、腹を立てて両手で胸をたたいたら、「それはゴリラの胸たたき。ウッホウホウホ ウッホッホ~♪♪」と歌われました(爆笑)。

葛西さん:「面白い先生で、稽古はいつも笑いが絶えません」

英起:「振りがなかなか覚えられなくても、できるまで一緒に踊ってくれます」

辰起:「日本舞踊の先生というと、“厳しい”“怖い”“近寄りがたい”といったイメージがあるでしょう? 私もそう思っていました。それが、実際に初めて会った冨起子先生は“なんてファンキー! ホントに日本舞踊の先生なのだろうか”と」

小高さん:「どの踊りでも、なんでこんなに違うんだろう?と圧倒されます。シンプルな動きでもすごくカッコよくて憧れです!」

冨祐乃:「エネルギーの高い方で、元気で楽しく、本当に表現するのが好きなのだな〜と感じます」

辰起:「冨起子先生は創作舞踊にも力を入れていて、私もたくさんの作品に出演させていただきましたが、いつも驚きと笑いの連続です。皆さんはご覧になっていかがですか?」

小高さん:「創作舞踊はちょっとユニークなものが多くて、枠にハマらずなんでもできてしまうんですね」

佐藤さん:「舞踊に対する広い知識と、創作への情熱を感じます」

草谷さん:「何度か出演しましたが、最初は『ここまでやってよいのだろうか…』と心配でしたが、今では『今度は何が出てくるのか』と楽しみです(笑)」

現在、草谷さんは広島県在住のため、オンラインで稽古を続けています。

西上さん:「冨起子先生の創作舞踊は、常に挑戦的(笑)コメディでも悲劇でも大きな物語に誘われ、観ているこちらが小さくなっていく錯覚を覚えます。新作なのに古典のオーラを纏っています」

辰起:「そうなんですよね!新しい古典(?)…。稽古のたびに新しいアイデアが浮かんでくるようで…本番の前日に色々変更が出ることも(笑)」

日本舞踊を始める前と比べて、何か変わったことはないか聞いてみました。

一香:「普通に生活していたら知ることのないものを知るので、人間として面白くなれているのではと感じています」

京香ちゃん:「身体が鍛えられていると思う。日本舞踊を通して日本がもっと好きになりました」

小高さん:「長唄や常磐津など、和の曲も興味を持って聞くようになりました。また“良い姿勢”というのがどんなものか理解できるようになったので、日常でも意識するようになりました」

西上さん:「僕は稽古の帰り道、足の裏が敏感になっていて地面を踏む感覚が心地よく「足が喜んでるな」と感じてました」

草谷さん:「私は日常のことに対して非常に苦手意識があって…」

辰起:「例えば?」

草谷さん:「きれいにアイロンをかけたり、着物や髪をきちんと整えたり、挨拶で始まり挨拶で終わること、休憩でのお茶の入れ方とか、一挙手一投足に自信がありませんでした」

辰起:「わかる! これでいいのだろうかとか? 私も二十代の頃は、色々なことが雑でした(笑)」

草谷さん:「だから、日本舞踊を始めてどのようなしぐさが美しいのか学び、それと同時に礼儀作法なんかも、苦手意識が少し解消された気がします」

辰起:「そうなんですね! あ、わたしもです(笑)」

ふきの会では毎年、お客様に気軽に見ていただける勉強会も開いています。お稽古の成果を発表するという目標があるので、日ごろのお稽古にも自然と熱が入ります。

葛西さん
京香ちゃん
佐藤さん
坂東一香
坂東起凰
坂東辰起
坂東冨祐乃
坂東英起
小髙さん
西上さん
草谷さん
守時くん

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