鶏娘

歌舞伎で上演されなくなって約半世紀がたつ『鶏娘おさん』の物語を、影絵を使った舞踊劇に構成。 平成29年度文化庁芸術祭舞踊部門で第2位の得票を得た作品。 父親・さんせう太夫の悪行の報いで鶏のように鳴く奇怪な娘・おさんが生まれ、父親はそれを他人に知られまいと、千羽の鶏を庭に放し飼いにする。 ある日、さんせう太夫の館へやって来たのは、人買いにかどわかされた安寿(あんじゅ)と厨子王(ずしおう)の姉弟を探す要之助(かなめのすけ)。 おさんが奈良の都で出逢って以来、片時も忘れたことのない男性だった。 その要之助が捕らえられ、明日、暁の一番鶏の声を合図に打ち首になることを知ったおさんは、庭中の鶏を追いかけ絞め殺すうち、自ら鳴いて鶏に化身してしまう。