Q-1 着物で静かに舞うのが日本舞踊?

静かに舞う演目もあります。でも、初めて日本舞踊を見た方は「意外に激しい踊りもあるんですね」とよくおっしゃいます。そうなんです。静かでスローな動きもありますが、速いテンポの動きや舞台を踏み鳴らす荒々しく力強い動きも。

日本舞踊には“静”も“動”もあり、動の踊りはスポーツ並みです。が、実際に踊ってみると、見た目には動きの少ない静の踊りの方が体にはキツかったりすることもあります。

Q-2 日本舞踊でダイエットできる?

稽古で消費するカロリーよりも、摂取カロリーが上回っていたら残念ながら痩せませんが、現代人の衰えがちなコアマッスル(大幹筋肉)は鍛えられます。

アンチエイジングの研究では、コアマッスルを鍛えるために効果的なものとして、ヨガ、乗馬、日本舞踊、バレエ、フラメンコなどが挙げられています。また日本舞踊は腰を落とすのが動きの基本なので、身体の中でもっとも大きな筋肉、膝から足の付け根にかけての大腿四頭筋がスクワットと同様に鍛えられます。筋肉が増えれば、消費カロリーが増すので、その意味では太りにくい体質づくりにつながるといえます。

Q-3 日本舞踊をすると、自分で着物が着られるようになるの?

必ずなります! 初心者には着付けからお教えしますが、稽古のたびに毎回着る、着なくてはならないので、だんだん1人で手際よく着られるようになります。今、私たちが毎日洋服を着るのと同じように昔は着物を着ていたのですから、"習うより慣れろ"で、誰でも必ず着られるようになります。

日本舞踊の稽古では、動きやすい着付けが第一。美容院や写真館で着つけてもらうよりもずっとラクで実用的な着付けが覚えられます。激しく動けば着くずれもしますが、自分で着くずれをさっと直すコツも分かり、和の所作やマナーも身につきます。

Q-4 何分くらいの曲を踊るの?

日本舞踊の曲目はさまざまで、短いものは3分くらい、長いものは20分以上、なかには1時間以上の大曲もあります。内容は音に合わせて気軽に踊れる曲もあれば、作品の内容や役をしっかり理解して踊らなければならない曲も。1人で踊ることが多いのですが、曲によっては2人、3人で踊ったり、もっと大勢で踊る場合もあります。

Q-5 日本舞踊には、どんな役が出てくるの?

日本舞踊の土台となっている歌舞伎舞踊は、歌舞伎の一部が独立したもので、もともと芝居的な要素が濃いのですが、日本舞踊では1人でいろいろな役柄を演じます。幼子、少女、少年、成人したさまざまな職業の男女、老人、美男、美女、三枚目やユーモラスな役、粋(いき)な役、狂乱の役、力強い役、亡霊、精霊、なかには動物の役もあります。

Q-6 坂東流は、どんな流派?

現在、日本舞踊には200を越える流派があるといわれますが、そのなかで古くから続く「五大流派」とされるのが花柳流、藤間流、若柳流、西川流、坂東流です。
坂東流の祖は三代目坂東三津五郎(安政4年〜天保2年・1775~1831)ですが、流派になったのは七代目三津五郎(明治15年〜昭和36年・1882〜1961)の時代からで、現在の家元は十代目三津五郎(昭和31~平成27・1956~2015)の跡を継いだ二代目坂東巳之助です。
代々の家元が歌舞伎役者である坂東流の日本舞踊は、ひとつの曲目を単に踊るだけでなく、いかに演劇的に表現して踊るかを大切に扱うところに特徴があります。

Q-7 日本舞踊の稽古って、最初は面白くない?

最初は基礎から始まります。基礎訓練というのは、どんな芸術、芸能の分野でもあまり面白いものではないでしょう。でも、ピアノのレッスンでも、どの鍵盤を叩けば、どの音が出るのか分かっていても、最初はなかなか手が動きません。でも、そこを乗り越えないと先に進めません。
踊りの表現の手段は、身体だけです。自分の身体をコントロールしながら的確な表現を探していかなくてはならないのですが、間違っても、楽器のように間違った音が出るわけではありません。何が間違っていて、何が正しいのかを判断する指針は師匠の目です。日本舞踊の稽古はマンツーマンで、弟子と師匠の関係は、スポーツ選手とトレーナーの関係に似ています。

Q-8 弟子と師匠の関係って?

日本舞踊の稽古を始めたら、お弟子さんはまずトレーナーである師匠の言うとおりにやってみます。できなくても、やる。できるまで、やる。そうしているうちに自分の身体のどこをどう動かすと、どう見えるのか。どう動かさないとダメなのか分かってきます。
そうやって私も師匠に導かれてきました。思うように動けない弟子を辛抱強く稽古してくださった師匠の長年の忍耐を思うと、頭が下がるばかりです。

お気軽にお問い合わせ下さい090-1452-2883  (坂東冨起子)

メールで問い合わせ